しかし、夢でも詐欺師でも無さそうな、

のほほんとした大家さんは、

「ええと、とりあえず……今晩から、来て貰えますか? 

ご飯。……それとも、明日から?」
 
照れたように、尋ねて来た。

「はい、今日からで大丈夫です。

ただ、調理器具がまだ無いんで、

キッチンを貸して頂ければ……」

「ああ、それはもちろん。

っていうか、毎回作りに来て欲しいんです。

材料も光熱費も、こっち持ちで構いませんから」

「あ、そうなんですか」