「……聞いてた?」 「………途中からばっちりと」 ミエロは顔を上げた。 だけどやっぱり、とても気まずそうな顔をしていて、頬も耳も真っ赤っかだった。 酔っ払いみたいだ、と奈央は思った。 (恥ずかしがってるの、かな……) 「……今、楽譜書くから」 「?」 「今、考えた。……あれ、お前歌えよ。俺、どうせ歌下手だし……」 どうやら彼は、自分の声に極度のコンプレックスを持っているようだった。 「そんな事無いですよ」 何となく、すぐその言葉は出た。 気休めでなく。