「何ですかそれ。

……でも、風邪引いてる人に嫌がらせしたら、多分物凄く恨まれますからね」

「じゃあ作り直せば?」

「そう簡単に言いますけどねー……安そうな……ゲフンゲフン……

何となく料理に使ってよさそうなお酒が、もう無いんです。

他にある日本酒っていったら、ここの……」

「わお! ……下々の人間が、滅多にお目にかかれないような面子なわけだな」

「そんなに凄いんですか? 

……まあ、そんなわけで、手が出せないというか」

「ふーん。じゃあ、ホットワインは? 

鍋でかるーくあっためてさ」

「えっ……でも、このワインだって、めちゃくちゃ高いやつじゃ……」

「じゃあ今訊いて来てやる」
 

珍しく協力的なミエロは、すたすたと寝室に行ってしまった。