“俺様”大家の王国




呆れた拓海は、ベッドの端に腰掛けた。

「……俺さ、一応お前との付き合い長いじゃん。

だからさ、少しは分かるとか思ってたけどよ。

やっぱ無理だ。さっぱり、お前の事がよく分からん」

「奇遇だね。



僕も、『僕』が分からないよ……おかしいね」


 
十郎は、自嘲気味に笑った。
 
その額を、拓海が軽くはたいた。

何だか十郎の態度が、素直になるに連れ、それを卑怯だと思ってしまった。
 

こんな時に、弱さなんて見せないで欲しい。

 
それを『弱さ』だと分かるのが、自分だけだと知っているくせに。

「おかしくねえよ。そんな事言ってていいのは、中二までだ。


……その点、あの子は『自分』ってもんがしっかりしてるな。

確固たる信念がある、って感じ」