“俺様”大家の王国

 


初めて、脅すように睨まれた。
 
もしかして、さっきまでのおかしなテンションは、

熱でハイになっていただけで、

今は少し落ち着いて正気に戻っているという事なのだろうか。

やたら、口が回っていたし。
 
しかし、私は考える必要などなく、はっきりと答えた。

「嫌です」

「何で?」

「だって、さっき十郎さんが言ってたじゃないですか。

『心細いから、そばにいてくれ』って」

「……なら、その言葉は撤回します。今すぐ出てって下さい」

「大丈夫です。私はまだ若いし、体力もあります。

栄養だってきちんと摂ってるし、授業で風邪の予防とかも色々習ってます。

だから、私は風邪を引きません。絶対……」
 
説得するように言うと、十郎さんは「しょうがないですね」と、笑った。