“俺様”大家の王国




「へえ……流石、繊細な耳をしているだけあって、よく聞こえるんですね。

迷子のペットを探すバイトでもしたらどうですか」

「まったく……何でお前はそんな、俺に対してばっかり冷たいんだ。

もうちょっと優しくしろよ」

「やですよそんなん」

「おいミエロ、見付けたのか」
 
ゴタバタバタ……!


「……何やってんだよ」
 

駆け付けた拓海さんと、見ていて止めなかったミエロの声が重なった。
 
それは何故かというと、咄嗟に私が隠れようとして転び、

別の段ボールに頭から突っ込んだからだ。

「……うー」
 
観念した私は、くしゃみを連発しながらその部屋を出た。

一度も掃除をしていないのではないか、と疑うような埃の部屋だった。

お陰で、今度こそ本当にティッシュ箱が手放せない。