「そういえば、てめえ何で俺の事『ミエロ』って呼んでんだよ!
面白がって呼んでるのジューローだけだったのに! いつの間にかみんなそうだ!
嫌がらせのつもりか!?」
(あー、あー、またその話か。
今更そんな事言ってくるなんて、器の小さい人だなあ……)
「じゃあ、敬さん」
私は、半睨みで彼を呼んだ。
だが、何故か彼はうっと詰まって……口元をにまにまさせながら、
そっぽを向いてしまった。
「どうしたんですか敬さん」
『敬さん』という言葉の響きは、『ケイ酸』みたいだよなあ、
と化学の教科書を思い浮かべていたら、ミエロがぼそりと呟いた。
「……やっぱいい」



