「ちょっとすいません」 「え?」 十郎さんはいきなり私を素通りすると、 部屋の中をあちこち歩き回り始めた。 カーテンを動かしたり、家具の下を覗いたり……。 「あの……何か探してるんですか?」 すると、いきなり十郎さんは私に向き直り、 いつかと同じように両手をがっしり握って言った。 「何か、お変わりありませんか?」 「……は?」 朝、アポ無しで突然押し掛けて部屋の中物色して、「お変わりありませんか」? (この人の考えてる事が、まるで分からない……)