“俺様”大家の王国




しかし、十郎さんは冷静な判断力を失っているらしく、

『構いません!』

「構って下さい!」
 
私の叫びも虚しく、ドアの開く音がした。

(ぎゃーっ! セーターセーター!)
 
一番近くにあった服を引っ掴み、頭を突っ込むまで、およそ三秒。

「すいません奈央さん……!」
 
十郎さんが真後ろに来るまでには、何とか見られる格好になった。


(セーフ……)
 

こんなに必死こいて服着たの、中学の時のプール以来かもしれない

(時間が遅くなればなるほど、給食の時間が無くなる。

しかも体が湿っていて、とても服が着辛い)……。


「おはようございます……ええと、何の御用でしょうか」