「申し訳ありませんが、全てこちらの事情です。
ここから先は、どうしても出来ないのです」
「ふざけないでよ! 意味分かんない!
契約したじゃない、ちゃんと!
それなのに、そっちから断るっていう事?」
「大変、申し訳ありません……」
所長が真っ先に頭を下げ、不本意ながら岩井もそれに倣った。
小林は余所見をしていたのを、無理矢理岩井が頭を掴んで下げた。
「……馬鹿じゃないの、あんた達。最低だわ。
まともに仕事も出来ないなんて。……もういい。
あんた達になんか、頼まない!
こんなとこ選ぶんじゃなかったわ!
さようなら!」
綾子はそれだけまくし立てると、
事務所を去って行ってしまった。
所長が現金の入った封筒を返そうとしたが、
物凄い剣幕で「いらないわよこんなもの!」と言われてしまったので、
それも出来なかった。



