一方、その頃……。
「――ええ、よーく分かったわ……。
いかに、あなた達が無能だってことがね」
苛立った大女優を前に、不憫な探偵達(小林を除く)は、
すっかり竦み上がっていた。
「要するに、見付からなかったって事ね。奈央」
「はあ……まあ、そういう事になるわけですが……
面倒事が重なりまして」
「ふうん。ま、そんなの聞きたくないからいいわ。
頭にくる……。でもね、いいわ。
捜索は続けて頂戴。
その為にはいくら払ってもいいの。早く、奈央を見付けてよ」
彼女は、それまでの分の料金の入った封筒を、テーブルに投げた。
岩井はその態度にむっとしたが、所長がそれを遮った。
「それが……我が事務所では、不可能なのです」
「……どういう事よ」
紅原綾子は、所長を睨んだ。



