ただ、それでも一年生の時は、それなりに勉強していた。

国家試験対策を掲げる問題集を買い込んだり、

インターネットで過去問題をダウンロードしたり、やる気だってあった。

(駄目だなあ、これじゃ……)
 
『国家試験に受からなければ、君達に将来は無いよ』
 

入学早々、教授に言われた事が蘇る。

ただでさえ不安でいっぱいだってのに、

何言いやがるこのじじい、と思ってはいたものの、

言われてみれば本当にその通りなのだ。

例えば、病院に内定があっても、

『管理栄養士』でなければ出来ない仕事は多い。

大学卒業と同時に『栄養士』の資格は取れても、

国家試験に落ちてしまえば、現場では『栄養士という名の調理師』

として扱われるにすぎない。


それでは、栄養関係の職に就くには、あまりにも虚し過ぎる。