そして癪なのは、私の行動一つ一つに、 「さすが紅原綾子の娘だ」と感動していたところか。 馬鹿にするのもいい加減にしろ。 私はおばあちゃんからマナーを習っただけであって、 母さんから得たものなんて、無い。 っていうか、いっそださい本名『義子』だってばらしてやろうか。 しかし、私が苛立っているのにも気付かず、 二人は盛り上がっていた。 アルコールが入ったこともあり、 どんどん話の様子は怪しくなっていく。