“俺様”大家の王国




だけど、その中で教えられた事――技術や精神は、

今でも私の中に残っている。
 
母は、それを『土台』だと言ったのだ。

私の努力を『自分の計画』と言ったのだ。

「いくら俳優養成所なんかで、演技だけ学んだってね、

中身があるか無いかで全然演技は違うのよ。

薄っぺらなおままごとが、役に立つもんですか」
 
私は、思えば友達と遊んだ記憶が、あまりなかった。

いくつか、思い出せる事はある。

だけど、同年代の他の子と比べたら、圧倒的に少ないのだろう。

その理由は、お稽古事に時間を割いたからだ。

私はそれを疑いもせず、ただ当たり前だと受け入れてきた。