“俺様”大家の王国




「だから、探偵って……今日、俺んとこ来たんだけど。

色々、君の事訊かれたからさ」
 
目の前が真っ暗にるほどの衝撃だった。
 

――母だ!
 

それ以外に、考えられなかった。

ショックで、へたり込みそうだった。

お腹から、力がくたくたと抜けてしまいそうになる。

探偵……私を追ってた? 

……今日、来た……私を探しに……。


――きっとあの、ラウンジの不審者もそうだ!


直感で、繋がった。

母は、私がどこにあるどんな大学に通っているか、なんて知らない。

今までだって、私が通っていた小中高の名前すら、

きちんと把握していなかったのだ。

そんな母が、一人で飛び出した私の行方を自力で追えるとは、到底思えない。

それに何よりも、時間が許さないだろうし。