“俺様”大家の王国




(何だ、何だ?)
 
野次馬根性を起こして、芳樹はのそのそと起きた。
 
謎の人物は、ドアのすぐ傍にいる。

レンズを覗けば、何か見えるかもしれない。
 
すると中に人がいる、と悟ったように、急にインターホンが鳴った。
 
だが、彼は首を傾げた。

(今の……俺の部屋のだよな?)
 
最初から、自分を訪ねてきた客だったのか? 

しかしこんな時間に一体誰だ、と思いつつも、

芳樹はその辺にあったズボンを穿いた。

さすがに、トランクスでは人前に出られない。