途端に込み上げてきたのは、悔しさだった。
 
大嫌いな人の描いた絵を、

そうとは知らずに褒めてしまったのと同じだ。

最悪だった。

恰好悪いし、自分が自分で嫌になる。
 
一方、ミエロはそんな私を見ながら、

けらけら笑っている。

「そうか、口ずさむほど好きか。

しかもその歌い方は、相当練習してるな? 

そうかそうか……」

なんて、繰り返すように言っている。