そして掃除機の音が、また始まった。 とにかく喧しいことこの上ない。 私は、イライラを抑えるのに再び歌い始めた。 この騒音を回避するには、それしかない。 どうせ、向こうには聞こえやしない。 こっちも、材料に火を通し始めたので、 フライパンのジューッ! という音で、 声なんて掻き消されてしまうだろう。 (さて、心おきなく油を飛ばさなくっちゃ) 今度は、適当に思い浮かんだ曲を。