“俺様”大家の王国




ねえ、いつまでそこ掃除してるの、

もう別のとこかけなよ。

っていうか、ちゃんと棚の隙間もかけなよ。

あっ、もう移動? 

ちょっ……こらっ! 

いい加減な事して、てめえー……!


急に、掃除機の音が止んだ。

ミエロが、私をじろりと睨む。

「……何、人の事じろじろ見てんだよ。

そんなに美しいか、俺の掃除する姿が」

「はっ……」
 
私は答える代りに、失笑した。

すると、舌打ちが返ってくる。

 
ええ、つい見惚れちゃいましたなんて、

答えるとでも思ったかバーロー。

(ああ、腹立つ……!)