“俺様”大家の王国

 


嫌がっているのを分かっていて、『ミエロ』と呼んだ。

プラス、相手の神経を逆撫でするように、わざと柔らかく言う。

一番、頭にくる演出だ。
 
やはり、彼はむっとする。いい気味。
 
だが、

「……俺は掃除係。

だから、部屋にさえ入れればそれでいいんだよ。

てか、お前馬鹿じゃん? 

部屋の主がいないのに食事作って、

どうするつもりだったんだよ」
 
お返しとばかりに、彼は私をせせら笑った。