“俺様”大家の王国




さっきまでの様子とは、えらい差だった。

あんなに、びくびく挙動不審だったくせに。

王様気取りか? こっちは愚民だってか? 

一瞬で、そんな連想ゲームが成り立つほどだ。
 
高飛車で、何だかナルシストの気が見え隠れする。

それに若干、発言にかちんときた。

何で皆、そういう勘違いをするかなあ。


 
横柄な態度には、横柄な態度で。


 
私が、母に対して学んだ事だった。
 
意識して笑わないようにして、私は答えた。


「いいえ、ただの料理係です。

そういうミエロさんは? 

十郎さんなら今、いませんけど」