“俺様”大家の王国

 


そして、何を思ったか十郎さんは、

そのまま彼を『ミエロ』と呼び続け、

その所為ですっかり、アパート内での彼の呼び名は、

『ミエロ』で定着してしまったという。

何か、『ピエロ』みたいでちょっと可愛い。
 
だが、本人はそれを酷く嫌がっているらしく、

私が口にした時、うんざりしたような態度でこう続けた。

「……はあ?

何で、お前にまでそう呼ばれなきゃなんないか知らないんだけど。

で、お前誰? 

ジューローの恋人?」