貴様に届け――…

「……あぁ」

何やら険しい顔付きに変わるジュンキ。

トラはジュンキの表情で何かを察したのか、ソファーから立ち上がった。

「……わかった」

携帯を閉じるのと同時にトラを見た。

「トラ」

「私が行く」

「いや、ユースケお前が行け。トラはここにいろ」

ピリリリリ――――…

けたたましく鳴り響く携帯。

耳にあてながらユースケとジュンキは、部屋を後にした。