『……うそだろっ…!?』 兄貴が死んだのは俺と星奈が中2のとき。 交通事故だった。 飲酒運転していた車にひかれて、兄貴は一生を奪われてしまった。 『健兄はー?』 『……いないんだ』 『なんで?』 『兄貴は――』 『――いいや、また来るね!』 星奈には、言えなかった。 俺が言いたくなかった。 兄貴が死んだことを知ったら、きっともうあいつの笑顔は見れないだろうから。 それだけはいやだった。 ごめんな、兄貴。 俺は兄貴が死んだことよりも星奈の笑顔を見れないことのほうが悲しい、薄情な弟だ。