それでもいいと思った。 星奈が泣かないなら。 星奈が笑ってくれるなら。 星奈が「健」を―― ――俺を好きになってくれるなら。 「そうだな、ごめん」 「…変な健っ」 「本当に!悪かったって」 「別に怒ってないよ」 「ならいいけど」 名前なんて気にしない。 勇人なんていない。 俺は健だ、俺は健だ、俺は健だ。 俺が――、健だ。