唇が離れた瞬間、「ずっと俺の隣に居てね」 って、壮太君は囁き、またあたしの唇を奪ってしまった。
「傍にいるよ、壮太君の、隣りに、あたしは居る。壮太君以外、好きになんて、なれそうにないよ」
壮太君の瞳を見てそう言うと、壮太君はあっという間に顔を真っ赤にさせた。
そして、「反則だ」なんて言うから、あたしはぎょっとした。
は、反則って、何が!?
そんな事を思っているとぎゅっと抱きしめられ、耳元で、「佐智がそんなん言ってくれるなんて、思ってなかった」と、こめかみにキスされた。
「俺だって、佐智以上に好きになれる人なんて、いないよ」
そして、再び、長い長い、キスをする。
甘い言葉に、
甘いキス。
もう、不安にさせないように、
もう二度と離れる事が、無い様に。
花壇に咲いてるリナリアの花と、
頭上に見えた月に、
そっと誓った。
【END】
