「無理だよ!!!!あたし、殴っちゃったんだし!!!!!マジ無理っす!!!!!!!」


「気持ち伝えてついでに殴っちゃったことも謝っちゃえばいいじゃない」



 奈菜は、事も無げに、さっきのあたしの必死の否定も気にもしないでさらりとそう言った。



「あ、謝るのがついでっすか・・・・・」


「まぁ、どっちがついででも良いけどね」


 にっこり、綺麗な顔でそう言う奈菜に、これ以上抗っても無意味だと悟り、あたしは「うぅ〜・・・」って唸りながらテーブルに突っ伏した。





 だって!!


 いきなり殴っちゃったんだし、確実に嫌われたようなもんじゃないかっ!!!

 それなのに、気持ち伝えるって!!!!!



 あ、謝るのは、した方がいいと思うけど、ゆ、勇気がっ



 へるぷっ!!!!!




「変な事考えてないの。さ、帰りましょ」


「え、なんであたしが変な事考えてるって解るの!?もしかして奈菜ってエス」


 エスパー?って聞こうとしたら、バシンと頭を叩かれた。

 しかも、割と本気で。


「痛いっす・・・」


 頭をさすりながらスタスタと先に行ってしまった奈菜を追いかける。

 追いかけながら、奈菜に言われた通り、今度ちゃんと壮太君に気持ちを伝えようって、思った。

 別に、そこから何かが始まらなくてもいいから。

 とにかく、自分の気持ちを伝えてみようって、思ったんだ。