「やんやまあ! 家の中さおるもんは、無事だべか?」

「申し訳ねぇ。善吾郎さんの部屋だっけや」

「はぁぁ? なんだもんだばや?」

善吾郎は呆れかえったが、悪態をつくことだけは忘れなかった。

「はんかくせぇな。おれさ、そったらとこいたら死んじまうべや!」