なまら除雪ジジイだべさ

陽一は、呆然として迫り来る地響きの正体を眺望した。

今度こそ、戦車が編隊を組んでやって来たのだと思った。

「陽一くん、あれさ来る前に、全部出してしまうべ!」

善吾郎に促されて、陽一はわけもわからずうなずく。

近所の老人たちもにわかに活気づいた様子だ。

陽一は、いつしか汗が流れるのも忘れて作業に没頭した。