なまら除雪ジジイだべさ

休んでいると風邪を引きそうだ。

「雪ハネさ、ゆるくねぇべ?」

善吾郎が、陽一を見て笑った。

「い、いえ。まだまだ」

やせ我慢して、陽一は笑い返した。

そうして、路肩に溜まった雪の固まりを車道に出す作業を続けていると、再び重い地響きが近づいてきた。

北のほうを見ると遠くで黄色いライトがぐるぐる回っている。

そのライトが雪煙にけぶっていた。