善吾郎の家は、札幌の東区にあった。

札幌駅の北口に近い、ファイターズ通りのあたりだ。

碁盤の目に区画整理された札幌の街には珍しいあの斜め通りも、昔はしょぼくれた、と言っては申し訳ないが、まあ、そんな店が並ぶだけの馬の通り道だったのだが、今は球団の派手なのぼりがバタバタして、妙に活気づいている。