確かに旭川は道内でも屈指の豪雪地帯だ。 だが、善吾郎にだってプライドがある。 相手の言葉にひっかかりを感じながらも、初対面から喧嘩をふっかけるわけにもいかず、善吾郎は無理して柔和に笑って言った。 「ははぁ。旭川から札幌さ出てきなさったかね」