なまら除雪ジジイだべさ

善吾郎もお辞儀をする。

「やんや、見事なものですなぁ」

除雪ぶりを褒めると、白髪の老人は柔和に笑った。

「札幌は、雪さ少なくて楽ですわ。わしのおった旭川さ比べたら、子供だましのようなもんですなぁ」

かちーん、と、善吾郎の頭の中で何かがぶつかる音がした。