そんなある日のことだった。

まだ薄暗いうちから起き出して、新聞配達が来る前に家の前を綺麗にしておこうと、善吾郎が除雪に出たところ、隣家の様子がいつもと違っている。

いつもは善吾郎が除雪をするまで、凍った靴の跡や、夜のうちに積もった雪が薄闇の中で青白く光っているのだが、今朝はどうしたことか歩道のアスファルトが、きっちり黒く出ている。

歩道の際に寄せた雪山の形も見事で、風にこぼれてくる様子もない。