英作がいなくなって、善吾郎は

「なんか、あずましくねぇべなぁ」

などとつぶやきながら、黙々と隣の家の前まで除雪する日々を重ねていた。

張り合う相手がいなくなると、こうも意気があがらないものかと驚くほど、善吾郎も元気がなくなっていた。

心配した美代が、カルチャーセンターの老人クラブにでも通ったらどうかと勧めたが、そんな軟弱なものには行かんと頑としてきかない。

偏屈ぶりには拍車がかかっているようだった。