チェンジ‐ため息の行方

 さて今日は新婚のパート探偵に子供が出来て産休を取るので、その代わりに雇う臨時の探偵の面接の日だった。なので尚人は探偵事務所で待機していた。

「コンコン」
 とドアを叩く音に尚人は椅子から素早く立ち上がるとドアを開けた。

「こんにちは。どうぞ」
 と言って尚人は桐島を部屋に招き入れた。

 そして尚人は桐島にソファに座るように勧めると、幾分緊張気味の桐島に
「此処まで来る道順って結構複雑だったから道に迷わなかったかい?」
 と聞いた。

「はい。狭い路地がいくつも並んでたんで正直少しだけ迷ってしまいました」
 と言って桐島は照れくさそうに頭を掻いた。

「あはははは。此処の物件は駅からやや遠くて道が入り組んでいるせいか、人気がなかったらしくてだいぶ安く手に入れられたからね」
 と、そう尚人は言って笑った。

「はあ」
 と桐島は言うと益々恐縮した。