桜咲くこの並木道で

「あ、そっか!!

俺たち、何も知らないんだよな。」


そう言って苦笑いすると、続けて言った。


「俺のことはハルって呼んで?」

「・・・ハル?」


あたしが覗き込んで言うと、

その人・・・ハルは嬉しそうに笑った。


あたしも嬉しくなる。


「で、そっちは?」

「あ・・・あたしは・・・

ユズって呼んでほしいなっ?」


「ユズ・・・かわいいじゃん」



あたしは何も言えなかった。



足を動かすのが精一杯だった。



・・・この熱が伝わりませんように。