「好き・・・なの!」

「え、門谷さん?」


想いを打ち明けると彼は驚いた様子で目をパチクリさせている。そして何も言えない様な困った表情をさせながらも私と目が合うとニコリと笑顔と作る。

嗚呼、この恋は終わってしまった。
そう思ってもおかしくない、彼の態度。


「僕も、僕も門谷さんの事好きだよ。」

「・・・え?」


もしかしたら。もしかしたら、これは期待できるの?
彼は、困った様に見せかけて本当は私の事・・・。


「だけど門谷さんとは違って、友達としてだよ。門谷さんの事は大好きだよ。だけど・・・。」

「・・・そ、そっか。そうだよね、ごめん。ありがと。」


今にも溢れ出しそうな涙を堪えて私はすぐさまこの場から立ち去った。勘違いした自分が惨めに思えた。

あんな優しい振られ方をしたら諦めきれないよ。
だけどね、そんな優しい貴方に心を奪われたから仕方ないんだ。

残酷なものだけど、優しい貴方が大好きだから。


end