「あっ、先生!」

「おぉ、相沢か。日直ごくろうさん。」

日直で残っている教室のドアから見えた先生の姿。あたしに気付いた先生がへと入って来る。

カツカツと足音を立てて近づいてくる先生。
小さな笑顔を見せる先生の姿に、何回キュンと来た事だろう。
・・・カッコ良い。驚く程、その言葉が似合う先生にあたしは恋をしている。

もうダメ。
抑えきれない!


「・・・先生、好き。大好き。」


まさに突然の愛の告白。このタイミングで?と思うかもしれないが、これがあたし。
先生に会うといつも気持ちが抑えられなくなり言ってしまう。

だけど今日は自分の誕生日という事もあり、いつもより気合いを入れて言ったんだ。

先生にはいつもと同じ様に見えたかもしれない。だけどあたしにはいつもと違う特別な告白。


「俺も相沢の事は“生徒”として好きだぞ。」


・・・また、だ。
笑ってごまかされたのはこれで、何回目だろう。
いつも先生はこうだ。どれだけ真剣に告白をしても笑ってごまかして流される。

あたしは本気なのに。
あたしの想いはちゃんと先生に伝わってないの?


「先生のバカ!あたしは本気で言ってるのに・・・。ちゃんと答えてよ、先生。」


そう言って今にも涙が溢れ出そうな目を隠した。いくら先生でも泣き顔なんて見られたくない。

そしてその瞬間に聞こえた先生の声。


「・・・卒業したら、な?」


心臓が止まるかと思った。時間が止まれば良いと思った。
そんな言葉を先生の口から聞いたら、いくらだって待てるよ。

先生・・・ずっと愛してる。


end