「ちょ、触るな！ったく･･･用がないのなら帰るからな。」


頭に乗っかる平岡の手を払い生徒会室から出ようとドアを開けようと手を伸ばす。


「待ってよ、柚ちゃん。俺と遊ばない？」


再び掴まれた手に思わず振り返ってしまう。


「･･･っ。」

「柚ちゃん、どーする？俺と遊んじゃう？」

「･･･調子に乗るな！」

「調子にだって乗るよ。だって俺、柚ちゃんが大好きだから。」


無論、こいつは大馬鹿野郎だ。
どうしてこのタイミングであんな言葉が出るんだ？

平岡には恥というものがないのか？
よくも平然とそんな言葉が言えるな･･･。私には絶対に無理だ。
というより、こんな事を平然とサラリと言われて信じようにも信じがたいだろう。


「平岡、冗談はよせ。その言葉を言う相手は違うだろ。もっと可愛くて女の子らしい子に言うんだな。じゃあ私は本当に帰るからな。」


ガラッとドアを開け生徒会室から出る。と、その瞬間にまたもや平岡が私に声をかける。


「ねぇ、柚ちゃん。俺は本気だから。俺からしてみれば柚ちゃんは可愛い女の子にしか見えないよ？」

「ばっ、馬鹿かお前！」


いや、馬鹿なのは私の方だ。

ナゼだ？
心臓が今までにない大きな音をたてて、顔がなんだか熱っぽい。


end