「ねぇ、海斗!・・・また会えるよね?いつか絶対、会えるよね?」

「おう、会えるよ絶対に。絶対、会えるから!」


そう言って彼が転校して、3年の月日が過ぎた。

あれから海斗からの連絡なし。少しぐらい連絡してくれても良いのに。
だから、もう駄目だと思ってた。

別に海斗とは付き合っていたんじゃない。
両想いだと気づいた時には海斗の転校が決まっていたのだから。

新しい彼女ができた?
気になる子とかできた?
他の人と幸せになってる?

私は今でも海斗を忘れていない。忘れきれないんだ。
声も聞いてない。顔も見ていない。だけどね、海斗をずっと想ってる。

もう会えないと思ってた。というより、3年も経つのだから会えるなんて思っていなかった。
なのに・・・―

部活も休みで仲良しの友達と買い物をして家に帰ろうとした時だった。


「よぉ、久しぶり。元気だったか?」


どうして・・・?
この時、頭の中で整理できず目の前にいる彼が幻ではないかと自分の目を疑った。
だけど、やっぱり海斗だ。
背が高くなって、顔つきも大人になっている。


「どうして・・・?!会えないと思ってたのに。」


海斗が、どうしているの?
遠い県に引っ越したはずなのに。もう会えないと思ってたのに。


「絶対また会えるって言ったろ・・・?俺、戻って来たから。」


ニカッと笑った海斗は笑顔だけは昔と変わっていなかった。
なんだか、懐かしくて昔に気持ちが戻ったみたいに海斗への気持ちが高まった。


「なぁ、赤い糸って信じるか?」

「赤い糸?」

「俺は信じてる。また、こうして会えたのは俺とお前の間に赤い糸があったからだろう?」


ちょっぴりクサイ言葉を口にした海斗にプッと小さな笑いが出た。
だけどね・・・私も赤い糸ってあると思うよ。

私達は運命の赤い糸で結ばれているんだね。
だから、ずっとずっと一緒だよ。


end