アタシは全速力で走った。


忘れたかったから…


全部…


アタシが翔吾を好きだってこと。沙織が翔吾を好きだってこと。翔吾が沙織を好きだってこと。


全部…忘れたい…


アタシはそのまま家に帰った。


「ただいま〜」


「あぁ!おかえり♪あ!そうそうさっきまで彩未チャンから何度も電話があったわよ?ケンカでもしたの?」

「別に、」


「まあ、いいわ。ちゃんと電話しなさいよ。心配してたみたいだから」


「は〜い」