苺祭的遊戯(ショートストーリー集)

元はと言えば、彼女を泣かせてしまった責任は自分にもある。
清水は膝を折って、視線を合わせた。

『ええ、本当ですよ。
 七夕にぴったりの可愛いケーキも準備しています。
 どうか、もう泣かないで――』

『じゃあ、短冊に書いた願いも、叶えてくれる?』

いつも大人びている彼女の、意外と子供っぽい一面に戸惑いを隠せない。

『願い事を書いたんですか?』

都はこくりと頷く。

『じゃあ、一緒に竹を飾りましょうか?
 次期総長もご一緒に、いかがです?』

都と清水を二人っきりに、させたいわけのない大雅はすぐに頷いた。

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