苺祭的遊戯(ショートストーリー集)

『だって、先生がっ』

都はしゃくりあげながら、そう言った。

『先生は知らないんですよ、きっと。
 大丈夫。
 お兄ちゃんが保証してあげる、ね?』

『本当に?』

ようやく顔をあげた都の頬は、涙でぐっしょりで。
その瞳はうさぎのように真っ赤になっていた。

大雅は大きな手のひらで、都の頬を包み込んで涙をふく。

『本当です。
 だから、着替えていらっしゃい』

『清水、本当?』

都は不安げな顔で、清水を見上げる。

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