苺祭的遊戯(ショートストーリー集)

もちろん、パパはわたしの元気まで全部吸い取ってしまったようで、甘いマスクに甘い笑みを浮かべてわたしを見下ろしている。

「今日はパパに何か報告があるんじゃないの~?」

わたしは心の中だけで息を呑んだ。

……し、清水ね?
パパに余計なことを知らせたわねっ。

「ええっと。
 何かあったかしら。
 とりあえず、手洗いうがいしてこなきゃだわっ」

わたしはパパの傍をすり抜ける。

「紫馬のカシラ~」

都合よく、どこかのチンピラがパパに声を掛けてくれた。

ふぅ、やれやれだわ。

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