「アヤ。
曲順変えようと思うんだけど」
教室で後輩のライブを見ていたら、私の肩を叩いて、ヒコがそう言った。
「……はい?」
私は慌てて立ち上がった。
二人で、煩い教室から外に出る。
外は外で、残暑の日差しがまだ強かった。
突然の明るさに、一瞬目が眩む。
よろける私を面倒そうに支えながら、ヒコが呆れた声を放った。
「いい加減になれれば?
この明るさの変化に」
「煩いなー。
苦手なんだから仕方ないじゃん。
っていうか、どうして今更曲順変えるのよ。
次の次だよ?
他のメンバーは?」
数ヶ月前まで、互いに別のバンドを組んでいた。
ボーカルやってたヒコと、キーボードをやっていた私。
なのに、何故かヒコは私の歌声を気に入ってくれて、急遽バンドを組むことになったの。
だから、この夏は結構一緒に練習したわ。
私がボーカルで、ヒコはギター。
他のメンバーを集めるのは造作なかった。
うちのサークルはバンドの掛け持ちOKなので、こういうとき都合がつきやすい。
「全く問題ないってさ」
(次ページへ)
曲順変えようと思うんだけど」
教室で後輩のライブを見ていたら、私の肩を叩いて、ヒコがそう言った。
「……はい?」
私は慌てて立ち上がった。
二人で、煩い教室から外に出る。
外は外で、残暑の日差しがまだ強かった。
突然の明るさに、一瞬目が眩む。
よろける私を面倒そうに支えながら、ヒコが呆れた声を放った。
「いい加減になれれば?
この明るさの変化に」
「煩いなー。
苦手なんだから仕方ないじゃん。
っていうか、どうして今更曲順変えるのよ。
次の次だよ?
他のメンバーは?」
数ヶ月前まで、互いに別のバンドを組んでいた。
ボーカルやってたヒコと、キーボードをやっていた私。
なのに、何故かヒコは私の歌声を気に入ってくれて、急遽バンドを組むことになったの。
だから、この夏は結構一緒に練習したわ。
私がボーカルで、ヒコはギター。
他のメンバーを集めるのは造作なかった。
うちのサークルはバンドの掛け持ちOKなので、こういうとき都合がつきやすい。
「全く問題ないってさ」
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