「そんなこと言わないで下さい。
 都さん――。
 私は、何よりも都さんのことが大切なんです。
 お願いだから、無茶をしないと約束して。
 でないと、もう、一生この部屋に閉じ込めてしまいますよ」

ええっと。
それは困るっ。

私は慌てて約束を交わす。

「出来れば、この一件からは手を引いてほしいのですが――。
 そうすると、また、新しいことを探すんですよね?」

困ったものです、と。
大雅が呟く。


――でもね、私だって、困ってるのよ、お兄ちゃん。

私は心の中でそう呟かずにはいられない。


だって、大雅への気持ちを、もう随分長いこと持て余して続けているのだから――。

Fin.