「お兄ちゃん?」

夕食が終わってから、気を紛らわせるためにとビールを飲んでいたら、都さん(小学5年)が心配そうに声をかけてきた。

「子供はビールなんて飲んじゃダメなんだから」

「そうでしたね」

彼女の頭を撫でて、そのまま腕に抱き寄せる。

「どうか、した?」

不安そうな顔に、なんでもない顔で笑いかけてあげるのには、もう、慣れっこになっていた。

「いいえ。大丈夫ですよ。
 一緒にお部屋に戻りましょうか?」

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