一試合が始まって十分がたった。
あたしは決勝戦は出ろ…と元に偉そうに言われて、出ていた。
真斗や歩美も出てる。…もちろん、元も。
・・・・・・ラスト、20秒。
ただ今、2点差でうちのチームが負けてる。
「紗来!入れろ!!」
元にパスされたバスケットボールをゴールに向かって打つ。
一10
一9
一8
一7
一6
一5
一4
一3
一2
一1
一パスッ
「「「わぁー!」」」
その瞬間、周りからの歓声が体育館中に響いた。
………は、入った…。
「紗来!すごいよ!あたし達、優勝だよ!!!!!」
歩美が興奮ぎみにあたしの所に走ってきた。
『…は、入ったの??』
「入ったんだよ!紗来のシュートが!!」
…あたしのシュートが?
ウソ!!!!!嬉しい!!!!!
勝ったんだ。最後の最後に………やったぁー!!!!!
「…紗来、ナイスシュート。」
『元!勝ったよ!優勝!!』
「あぁ。ま、俺は陽呂に勝ててよかったけど。」
あはは。元らしいや!

