一番初めにキミをみたのは、
あの春の桜が舞う日だった。

友達と一緒に歩いてる俺の目線に
飛び込んできたのは、三人ぐらいの
友達に囲まれた君。

友達は桜をみて騒いでるのに
キミはただ一人ポケットに
手を突っ込んで俯いてる。


そんな不思議な雰囲気を
かもし出してるキミに、俺は
惹かれたんだ。





俺の名前は三原柚志(ミハラ ユウシ)。
今日から中学二年生になる

先日見た、あの女の子のことが
忘れられず、俺はずっと考えていた。

「柚志ー何考えてんだよっ」

後ろから抱き付いてくるこいつは
小学生のころからの友達、
金山嶽(カナヤマ ガク)だ。

「いや・・・特に何も考えてねぇけど。
 そういえば、お前何組だった?」


今日は始業式とともに、
クラス替えの発表があった。

「俺~?なんとね~
 今年は柚志と同じクラスでーすっ」

効果音なら、パパーンという音が
一番似合うだろう。
嶽はにこにこしながら両手を広げる。
昔から無鉄砲・元気者などの
言葉が似合うやつだった。

そんなやつと同じクラスだと
考えると、これから先が楽しみで仕方ない。


「俺と同じってことは・・・六組?」

「そうだよーんっ。前は九組と四組って
 超離れてたからすーげえうれしいんだ」

えへへ、と笑い俺の横に立つ。
そこから二人で六組まで歩きながら話した。
先ほどいったとおり、去年は俺が四組
嶽が九組、という感じでとても離れていた
ため、喋る機会がなかった。


六組までつくと、そこはすでににぎわっていた。
クラスの真ん中には男子たちが。

女子たちは何人かで集まってる。

さすが男子。仲がよくなるのも早かったんだろう。